有限会社Ayleeds社長日記。継接ぎだらけですが、新しいビジネスを求めて世界一周旅行もやってます。

プチ社長日記:『ウズベキスタン漫遊記#3』の話

まだ未明に目が覚める。未明と言っても冬のウズベキスタンは7時過ぎまで真っ暗だ。
昨日の寝しなに、まずは当初の目的通りサマルカンドに行くことに決定した。東のキルギスや北のカザフスタンを目指すことも考えたが、キルギスへの片道陸路・片道空路での往復では良いチケットがとれず、かと言ってカザフスタンは首都まで遠く、片道の陸路もおぼつかない。

なので、今回はウズベキスタンをじっくり見ることにした。
サマルカンドへは8時に特急が出ており、それなら昼には到着する予定だ。宿を探す必要から、早めに到着したかったので丁度良い。
ウズベキスタンを旅する時にネックになるのが、『レギストラーツィア』である。要は『登録』なのだが、宿泊先で一筆を書いてもらう必要がある。おそらく夜行だと車掌にでも書いてもらうのだろう。この書類が揃っていないと出国の際にトラブルになるという。おまけに税関申請も厳しく、持ち込み/持ち出しの外貨はキッチリ揃えないとこれまたトラブルになるらしい。まぁ後者はキッチリ数えれば良いだけだが、前者は私の様な個人旅行者には足かせになる。

何しろ年末年始である。イスラム圏なのでヒジュラ暦上の正月を重視するのかも知れないが、休暇で宿がとれないケースも考えられる。普通なら駅やそこらで野宿すればすむ話だが、それが無理となると心理的に重しがかかるのである。
エクスペディアで探してみると、サマルカンド以外では宿がとれない。
ただ、パキスタン同様、宿が予約でいっぱいと言うより、単純にエクスペディアに登録している宿が少ないだけの可能性もある。
迷ってても仕方ない。とにかく気持ち余裕を持たせて移動することとし、駅へ向かう。

タシケント駅につき、いざ構内に入ろうとすると、セキュリティチェックがある。単純なセキュリティチェックだと思っていたが、切符もチェックを受けている。
いやな予感がしたが、持っていないのでその旨告げたが、案の定、制止され「切符を買って来い」と言われる。
で、切符の売り場に行くと華麗にクローズである。
8時から営業らしいが、列車は7時台である。どうやら前日に切符をおさえておく必要があったらしい。
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【閉まっとるがな。。。】
旅の予定が狂うのは当たり前だ。嘆いていも仕方ないので地下鉄でバスターミナルのある駅に向かう。

ウズベキスタンの地下鉄は、まんまロシア地下鉄である。それも17年くらい前に旅行した時の「古き良き」ロシア地下鉄そのまんまで感動する。
なべて海外の地下鉄は薄暗いが、天井の高さもあって極めて暗い。しかし、よくよく見ると宮殿のような装飾もあって美しいのが特徴。そして入線してくる列車は古く、鋼鉄製の車両だ。車両が重いせいか、轟音で入線してくるのは迫力がある。
ロシア同様、ウズベキスタンも地下鉄の写真撮影はご法度なのだが、こっそり撮影したりなどする。
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さて、駅に到着後、地上にあがりバスターミナルを探す。どうやら駅のロータリーが乗り場のようだ。
所謂バスの車両はなく、スズキなどのバンが数台と、自動車が数台だ。
外国人の私にいっぱい群がってくるが、何しろ相場がわからない。一応、駅員に相場を聞いたのだが、彼も知らないという。ただ、傍にいたおっさんが、一人乗りだと外国人は60ドルくらいだという。
「外国人は」という表現は気になったが、まぁ多少上乗せされるのは仕方ない。インドなどでは美術館の入館料で3倍近い値段を外国人には請求されるケースもある。
相乗りは望むところなので、群がるオッサンたちに値段を聞く(黙ってるとすぐに車に連れて行こうとするのはどの国も同じだ)。無論、答えない。「幾らならいいんだ?」お約束の会話である。
「10ドルだ」というとみんな爆笑である。どうやら安すぎたらしい。誰一人のってこない。でもここで慌てて30ドルという必要もない。いろいろ聞いて回った結果、18ドルで手打ちとなった。
車には若い男と、老婆と老人が既に乗っていた。幸い、若い男は英語が話せたので道すがらいろいろ教えてくれる。最初、ガイド料を請求するのではと警戒していたが、どうやら学生らしい。鞄には贋物っぽい化粧品が大量に入っていたので、土産と言うよりは商売もしているのかもしれないが、どうやら私から金をとる気配はないらしい。逆に4時間も密室にいるとなんだかんだと仲良くなるもので、リンゴを奢ってくれたりした。(タシケント〜サマルカンド間はリンゴの産地らしい。ぼそっと「リンゴって(ロシア語で)ヤーブラカだよね」と言うと喜んで車を止めて買い与えてくれたのである。おそらく相手は20代で、こっちは40代なのだが、多分、相手は私を年下と見てるのかもしれない。日本人が若く見えるのは、パキスタンや中央アジアでは際立っているようだ。いや、これはホントであって、日本人の『彼は老けて見える』とかいうレベルをはるかに超越して連中は老けて見えるのである。)

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【タシケント⇔サマルカンド道路。ひたすら荒涼とした風景だが、よく整備されている。】

そして15時前にはサマルカンドに到着した。残ったメンバはまだ先があるようで、市の中心の少し北、天文台の辺りで降ろしてくれた。さっきまでガイドと警戒していたくせに、何となくその男の分の足しにとお釣りをあげて車を降りる。

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