有限会社Ayleeds社長日記。継接ぎだらけですが、世界一周旅行もやってます。

プチ社長日記:『数値だけ見て食料自給率が低いケシカランというのはいい加減やめた方がいいと思います』の話


■食料自給率「低い」、47%に拡大・内閣府調査

ソース

(退避用)
内閣府が21日発表した「食料の供給に関する特別世論調査」によると、現在40%の食料自給率を「低い」とした回答が47%とほぼ半分を占め、2000年7月の前回調査時点より14.1ポイント増加した。望ましい自給率は「60―80%」が49%に上り、これを含め全体の回答者の8割近くが現状を上回る水準への引き上げが望ましいとみていることがわかった。

 調査は全国の成人男女3000人に実施、回収率は57.6%。将来の食料供給に「不安がある」としたのは76.7%、不安の理由(複数回答)は「国際情勢の変化で、食料や石油などの輸入が止まる」(61.6%)が最多。「食料増産の限界」(56.5%)、「異常気象、災害による不作の可能性」(56.2%)が続いている。

 自給率向上に必要な施策としては、「国産農産物の消費促進」(37.5%)、「消費者ニーズにあわせた国内生産の拡大」(36.7%)などが挙がった。(21:44)



食料自給率の話になるといつも疑問に思う。
40%でいいじゃないか、と。

いや、寧ろもっと下げるべき。

日本という微妙な位置づけの国家が、自国の産業構造を無視して食料自給率の向上、それも80%とか目指すというのは、それこそ自殺行為というものである。
まぁ、死にはしないか。
じゃあ、キチ○イ行為ということで。
え?それも駄目ですか? 
じゃあ、まぁ、やや穏やかに軽く少し気がお触れになった行為でいいですか?

そりゃ、小泉内閣以降、ぐっと自民が都市住民よりになったとは言え、やっぱり地方では農業保護なんでしょうけど。ええ、そういう票固めの努力は必要ですよね。

しかし、日本は高付加価値産業、つまり原料を輸入して、それを加工して付加価値つけて輸出してナンボという国である。
重要なリソースであるヒトを、土地を、農業に振り向けてでもしたら確実に国民一人あたりGDPは急降下である。
言うまでもないが、日本の土地は平地が少なく大規模農業に向いておらず、結果としてコスト競争で他の農業国に勝てる筈がない。
日本人の特殊な好みにより贅沢品としてコシヒカリなどがサバイブしている状況である。
いや、たとえ日本が農業に適した国土や気象条件下であっても、それよりも価値のある産業が存在する日本においては、『比較劣位』となる農業にリソースを投下することは非効率だ。

とりあえず、怒りを抑えつつ、自給率上げましょうという意見の理由を見てみる。

「国際情勢の変化で、食料や石油などの輸入が止まる」(61.6%)
ってあるけど、何で自給率の話で石油が出てくるの?切り離して考えようよ。それとも何か、オマエは石油を育てられるのか?
国際情勢の変化云々というのなら、備蓄という方針で対処すべきだ。せいぜい半年分。
現在40%の自給率を80%まで伸ばすためにどれほどの産業構造の変化が強いられるか、そのための費用を計算はしていないが、計算するまでもなく備蓄の費用が下回るであろう。
そもそも、食料運搬船が片っ端から撃沈されるような情勢といのは、中国・朝鮮・そしてアメリカやオーストラリアまでもが敵国になっているような状態でしょうが。
そんな状況が半年以上も続くようになったら、自給率云々言う以前に『日本オワタ』ということである。
要は、産業構造を変える莫大な労力を費やすくらいなら、国際情勢安定化の為にコストをかけるほうが間違いなく効果的であると私は言いたい。


また、「異常気象、災害による不作の可能性」(56.2%)
アホですか?敢えて言おう、カスであると。
日本が宇宙コロニーを建設して、制御された気象条件下で莫大なコストをかけて野菜を栽培するならいざ知らず、自給率を60−80%になるまで農業へ資本を投資しておきながら、異常気象、災害によって減産となった場合、我が国におけるダメージは計り知れない。
国家総じてボスケテ状態(※)である。
異常気象のリスクを避けるには、各産物に対して複数の輸入ルートを保持しておき、減産・増産による価格の変動に応じてチャネルの太さを調節するというのが最も有効な手段の筈だ。自給率を引き上げておいて、農産物の輸入ルートを減らすのは、却ってリスクの抱え込みに他ならない。『分散』こそがリスク管理の基礎中の基礎である。
気をつけるべき点は機動的にチャネルを変えることにより影響を受ける国家(力のない国家)の不満をどれだけ押さえ込むことのできる国力を維持できるかのみである。


この手の調査結果を見て本当に不思議なのは、『自給自足頑張ります』とか言って、せっせと独自の経済圏の創設に努めていた北朝鮮という芸術的なサンプルがすぐ近隣にあるというのに、日本も自給率あげましょなんていう意見が出てくることである。
呑気すぎる。一体、どこを見たらそんな呑気なことが言えるのか。

政府は、現在40%の自給率を80%まで伸ばすためにどれほどの産業構造の変化が強いられるか、そのコストを試算し公表すべきである。(実際はそんなことしたら地方の票を失うからやんないだろうけど。)
半導体や自動車やハイテク素材を作ることを怠り、そのリソースをせっせと白菜や大根や牛肉や米づくりに費やし始めた場合、そんな日本という国家に果たして外国が注目するであろうか?物凄い勢いでスルーされるのは必定だ。

日本が農業を頑張ったところで、比較劣位は免れない。周辺諸国は食料を日本から輸入することはないであろう。
そうなれば諸外国にとって日本とは『どうでもいい国家』ということになり、それが皮肉にも国際情勢の荒波の波高を高める結果となる。誰も遠慮しなくなるからね。
高付加価値産業の推進による資本の蓄積がなければ、異常気象等により日本の農業が大打撃を受けたときに他国から輸入もできない。また、輸入ルートも脆弱なものになっているであろう。

北朝鮮の様な国に住みたいのならいざ知らず、今のような生活を続けたいと日本人が望むならば、食料自給率を減らしてでも比較優位の産業へリソースを優先して割り当て、それで得たカネや影響力を巧みに使って世界中の作物を輸入するのが幸せなのである。日本で梨が美味いからと言って毎日デザートが梨だったら嫌でしょ?(日本は今、果物は中国などに輸出している)。私もたまにはパイナップルとか食べたい訳だよ。


私の父もそうだが、戦後の日本で『ひもじい』思いをした世代は食料自給率に拘るように思う。私には明日の食い物に困るような経験はない。だからこそ、そのような思いは傾聴に値するとは思う。
だが、経済という世界では戦争は続いているのだ。

割高なコストを投下して食料自給率を上げ、その上で日本が世界に誇る産業群を維持・発展していけるほど、世界は甘くないであろうということに、何故気づかないのか。

・・・ということを考えていたら、疲れてしまいました。


※【訂正】ボスケテ:『ボス 決して走らず 急いで歩いてきて そして早く僕らを 助けて』の省略形


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コメント

でもやっぱり中国or韓国産の野菜はカゴに入れられないわたしです。でもバナナは食べたいです。

それはさておき、「ボス助けて!」の略だと思ってました。

  • なつき
  • 2006/12/22 08:31

高付加価値野菜は、自給率とは別の観点で議論すべきかと。
ところで、ボスケテの意味ですが、なつきさんのご指摘どおりでした。
ありがとう!!

うわー合ってたんだ!(驚

  • なつき
  • 2006/12/22 09:43

ボスケテの訂正版に吹きました。