プチ社長日記:『帰りの機上でボンヤリ考える』の話

【当然、調査による裏づけを取っていない内容である】

ハワイの帰りの便で、パイレーツ・オブ・カリビアンを映画(各シート毎にコントローラがあるやつ)をやっていた。

この手の映画というのは何故か『吹き替え版』か『オリジナル版』しかない。

日本人は一般に吹き替え版を嫌う。
オリジナルに近づきたいというヤル気を感じて、日本人はいい奴だと思う瞬間だ。

私も御多分に漏れないが、『刑事コロンボ』だけは吹き替え版にこだわる。
この辺の感覚は、日曜洋画劇場とかで『刑事コロンボ』シリーズを見ていた世代の方々にはご理解いただけるものと思う。
『ウチのカミさんがねぇ〜』という台詞のないコロンボはコロンボにあらず。
そして、毎回この台詞を吐く割には一度もカミさんが登場しないという事実こそが、コロンボの凄さなのである。

話がそれた。


『吹き替え版』か『オリジナル版』しかないという現実は、ネイティブ級でもない限り相応の集中力や想像力というコストを支払ってオリジナル版を見るか、吹き替えで妥協するかという選択を迫られる。

私の場合、そのコストは相当高い。

軍隊モノの映画なら、軍隊という性質上、命令などの台詞は簡潔であり、大声で話されるのでまだいい。敵味方がはっきりしてるので構成も複雑にはなりにくい。
多少、英語に判らないところがあっても、おおよそ誤らない。

ところがうっかり『Snatch』みたいな展開が速い映画だと、頑張って見ても、まったく意味がわからない危険性がある。
因みに『Snatch』は、「展開が速い」(2半)、「台詞が速い」(2半)、「台詞が訛っている」(2半)でハネ満級の難解さであった。実際、何回も見た後である今でも聞き取れない。

機上で映画を見る際、こんなリスク・リターンを考慮する必要性が発生するのは、言うまでもなく字幕版がないからである。

では、何故、字幕版がないのか?

それは字幕を作るのにすごく時間がかかるという、そのまんまの理由によるのだろう。国際線のような事実上の『先行リリース』では間に合わないと推察する。

字幕を作るのに時間がかかるのは、職人の数が限られているからである。戸田奈津子とか、戸田奈津子とか、あと一人、戸田奈津子くらいである。

映画の字幕は(実は、最近映画みてないので知らないが)、非常な職人技である。特にフォント。

よく知られた事実であるが念のため書いておくと、
文字に必ず、隙間があるのである。

例えば、『日』という字をそのまま字幕にすると『■』になってしまうのである。この場合、中線を『曰』みたいに隙間を開け、外枠も『巳』みたいにどこかに隙間を開けなくてはいけない。
そうしないとフォントが潰れて『■』になるのである。
この場合、多分右下に隙間を作る。昔の映画の字幕が全て明朝体なのも、この辺の事情を勘案してのものだと推測する。

勿論他にも、翻訳する文章、表示させる時間の長さ、表示場所、プロの仕事が必要なのだ。当然。

しかし、この写植技術が一握りの人間に握られているのは間違いなくボトルネックであろうと推測するわけである。

逆に、外国映画が米国に輸入される場合は、速攻で字幕がついていたと記憶している。アルファベットの数だけフォント用意すればいいだけだし。
日本語や中国語はそうはいかない。

フォントを考えるというのは、実はものすごくセンスのいる仕事なのだと認識する。

PCのフォントもまた然り。例えば『巣鴨』の『鴨』という文字。当然、正しく書くと『甲鳥』なのだが、おそらく諸兄の見る文字は『甲』の横線がなかったり『鳥』の下の点が少なかったりするわけだ。
でも、違和感を与えることなく『巣鴨』を『すがも』と読ませるのは相当のセンスを必要とする筈である。
そこに感動を覚える。芸術だと言っていい。

これが携帯フォントとなると更に制約が厳しい。PC用ウェブページを最近は携帯でも見られるようになったが、さすがにテキストが潰れるのでフォントだけ変化させようとか、いろんな技術が存在、研鑽されているわけである。
ご苦労様です。ありがとーう。ありがとーう。


映画の字幕も、制約条件下でフォントを考えるというのは同様の作業である。戸田奈津子に限った話ではないが、初期に字幕を用意した方々の偉業に敬服する。
しかしながら、この辺が改良されないのは偏に市場規模が小さいからなのであろう。

しかし、おそらくこれらの問題も解決される日は近いだろう。
簡単である。
最初から映画をデジカメで作れば良い。
そして映画館の上映もフィルムでなく、全館デジタル配信にすれば良い。この辺はずいぶん前から指摘されていたから、もう既に実施されているところもあるだろう。調べてないから知らんけど。
(DVDなんかで見ると字幕が普通にゴシックなのは、デジタル化の際にその辺のフィーを節約できるからだと推察する。)
そうすれば、同時公開の映画は激増し、字幕の付いたデジタルデータが最初から存在するわけであるから、機上でも字幕付きで映画を堪能できる筈である。

そういえば、業務用デジカメといえば、ソニーであったよなぁ。

ソニー頑張れ。超頑張れ。


・・・などと考えていたら、いつの間にか眠ってた。

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コメント

私もコロンボ大好き。
奥さんが出てこないの、私も気になってました。
一度くらい出てきたら良いのに・・・

  • まま
  • 2006/11/29 15:28

ノッポさんと同じで、最終回に出てくるんですよ、きっと。
(ノッポさんは最終回に喋った。『できるかな』終了後にノッポさんは講演会に出たりして、実は結構喋れる人らしいが。。。)

今はフィルムで撮っても合成はビデオなので、
プリント原版はビデオだと思われます。
昔のようにフィルムに字幕は掘っていないワケですね。

今は味気ない輝度の高いゴシック系の字幕が画面に踊り、
原版の雰囲気が台無しなのが切ないトコロです。

字幕技術に関しては、画面に収められる文字数で、
いかに上手に要約するかが、キーとなる様です。
つまり吹き替え版を作る方が、比較的容易なのですね。
しゃべれば良いワケですので。(笑)
後は機内放送用ですと、エコノミー席用の
みんなで見るモニターで上映する事も考えての
吹替え版なのでしょう。

機内でのビデオは、吹替えうんぬんよりも、
なんかコードなのか、フライト時間に合わせるのか、
謎の編集がなされている方が気になります。
っていうか、死。

深夜煮え煮えで仕事中につき乱文失礼です。

  • もきぞう
  • 2006/12/03 02:44

戸田奈津子以外だと、ア○ル男爵くらいしかいませんよね。

  • やじゅん
  • 2006/12/04 21:53

もきぞうさん
字幕技術に関しては、画面に収められる文字数で、いかに上手に要約するかが、キーとなる様です。つまり吹き替え版を作る方が、比較的容易なのですね。しゃべれば良いワケですので。(笑)
>なるほど。確かに吹き替え版の方がラクですよね。謎の編集の方も気になりますよね。まぁ、日本はダヴィンチ・コードもジーザス・クライスト・スーパースターもマルコムXも何の問題も無く上映できるけど、そういうわけにもいかないお国事情も国際線だから斟酌してるんじゃないでしょうかねぇ、と愚考。

やじゅんさん
>アナ○男爵、、忘れてました。別名イーピン男爵。