有限会社Ayleeds社長日記。継接ぎだらけですが、世界一周旅行もやってます。

プチ社長日記:『秋の夜長に』の話

秋の夜長である。

外を歩くとちょっとヒンヤリして、「あぁ、僕の大好きな季節がやってくるなー」と嬉しくなる。

秋の夜長といっても、デフォルト昼寝生活の私にとってそれは尋常な長さではない。『クイズダービー』で何の理由も解説もなく、最後の問題だけ倍率が2倍になるのに似ている(多分)。

疼く抜歯創を押さえながら、季節柄DVDなんぞを借りようかとテレテレ夜中に散歩する。

で、店に入ると、最新刊ですよコーナーに『トニー滝谷』なるものを発見。

トニー滝谷 プレミアム・エディション (何かレンタル屋で見たのとパケが違うが。。)

『おっ!そろばん音頭のリメイクか何かか!?あんたのお名前なんて〜の?』
と高鳴る鼓動を隠しながら手にするが、どうやら違うっぽい。

クレジット見ると『村上春樹』の名も。んー。

実は村上さんの作品をしっかり読んだことがない。
某所で昔、恥ずかしながらも書いた創作文章が『村上春樹っぽいねー』と言われて以来、鬼門となっているのだ。
読んだことがないので似ているかどうかも判らんし、それが褒められてるのか貶されているのかも判らんのだが、何となく手に取りがたい感じなのだ。

自分なりの価値観の軸というものが確りしていない場合、それは同時に変化を受け容れないという意味でその人の成長限界を意味しているのかもしれないが------、似た人間の価値観に触れると時に危険な場合がある。
そういうふうに感じてしまうのだ。

村上春樹が偉大な作家なのかどうかは自分には判じがたいので置くとして、名作や優れた思想・思考で、それがもし自分と方向性が似ていた場合、加えて、同じ世代に生きている場合は、安易にその考えを受け容れてしまう傾向が私にはあるからだ。
私も(一応)人間だから、何事も自分で作るよりは借りてきた方がラクなので、ついその人の言葉(思想)を借りてきてしまう。
本来ならその考えを理解・継承して発展させねばならぬものを、下手に方向性が相似している為に自分の賛同者・庇護者のように勘違いしてしまい、却って壁を築いてしまうことがある-------、そう感じてしまうのだ。

無論、これは読み手としての私の問題であるのだが。


最近、あまり見かけなくなったが、柄谷行人という思想家がいる。
彼の著書『意味という病』は特に強烈で、私を一歩高みに引き上げてくれた代わりに、長らく私はそこから動けずにいる羽目となった。

柄谷行人氏の『行人』は夏目漱石の『行人』からとっていると、友人が教えてくれた。私にとって漱石の作品で最も好きなものは『こころ』ではなくて『行人』である。そんな点からも、相通じると(私が勝手に思い込んでいる)部分は多いのだろう。抵抗感無く賛同してしまった。

結局、その壁を乗り越えたのは、夏目作品を再読することを経て、自分なりの近代・現代という時代解釈を模索しだしたことによる。

村上春樹さんの作品を意図的に回避するのも、その時の『価値ある迂回』を今は避けようとしているからだと思う。


優れた作品は、確実に読み手を選ぶ。そう私は信じている。

読み手に力がない場合、消化不良を起こし囚われてしまうことになりかねない。
その作品が古典と呼ばれるようなものであるならば、背景となる時代の差が読み手と作品の距離感を保ち、読み手が現代において解釈(再構築)するプロセスで読み手の考えが入る余地があるのだが、現代の作品においては、気付けば懐に入られ、あっさりとインファイトに敗北し憑かれてしまうことになりかねない。
読み手に距離感があれば良いのだが、そうでない場合はその憑きを落とすのに膨大な時間を費やすことになりかねない。


まぁ、ダラダラ書いたが、こと村上春樹作品に関しては、私が影響されやすい人間である結果、安易に自分の言葉を失って『盗作乙!』とか言われるとムカつくぜという、ミニマム器量なのがそもそもの原因だという話なのかも知れんが。

・・・でも、比較的時間のある今はそういうものに触れていくのが正解かなという気もボンヤリと感じる。

結局、逡巡したが手ぶらで店を出た。どうせ触れるなら原文だろう。

まぁ、今、私が本当に見たいのは、
そろばん音頭なんだけどね。


♪ま、そんな感じでひとつよろしく。(ランキング)♪

コメント

こんちはっす!読書な秋ですね!
創作文章読んでみたいですー今ないんですか?

  • うきふね
  • 2005/10/10 12:43

そうそう、いりーさんと村上春樹が似ているかは分からないけど、村上春樹とクロキンはちょっと似てます。頑なで。
風邪はやく治してくださいね。

  • うきふね
  • 2005/10/10 14:31

うっきゅっきゅー!

村上春樹→クロキン
      ↓
石井一久→ 僕

つまりこんな感じなのかぁ。
そーかそーか、クロキンに似てるのか〜、
ちょっとしんばちー。
つーか、うきふねさんものだめ好きですか。。。

創作はですね、一部ボツ原稿をひっそりネットの海の片隅に浮かべてますが、あえて相互リンクは貼ってません。ごめんなさ〜い。
また、採用稿は採用稿で、僕のクレジットじゃなかったりするのでそれも無理なんですぅぅ。ご理解を。。。

その図だと何となく石井が最終的にクロキンに変化していくやのようにも見えますが、気のせいでしょうね。。。
のだめ、すごいスキです。というか千秋様に会いにパリに行きたい。

創作物のほうは了解です。匿名のほうが気兼ねなく活動できるかもしれませんね。こちらこそ失礼いたしました。

  • うきふね
  • 2005/10/11 02:46
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