有限会社Ayleeds社長日記。継接ぎだらけですが、世界一周旅行もやってます。

プチ社長日記:『東京貧困女子』の話


結構、評価の難しい一冊である。
登場する「貧困女子」が同情を求めてるかというと、そうではないケースが多いだろう。
ただ、理解はされて然るべきである、とは思う。

筆者である中村淳彦氏は筋金入りのノンフィクション・ライターなので、淡々と、状況を詳らかにしていく。
若者を貧困に捉える貸与型奨学金制度やブラックの温床である介護業界、セーフティネットとしての生活保護支給の制度についての怒り等は吐露するものの、基本的には状況をポンと投げるだけの姿勢である。

出てくる女子について、冷たい言い方をすれば「運がなかったな」というケースは多い。

親が離婚(母子家庭)、親の収入が低い、本人の離婚(男の見る目がない)、ブラック企業に就職してしまい病気になった等、逆に言えば些細なこと(運が悪い)がきっかけで貧困に転落してしまう話ばかりである。
無論、うまく立ち回れば回避できた問題も多く、読んでて「あ、その判断は間違いだろ」と思わせる箇所もなくはない。
だが、(書いてあることをそのまま受け取れば)仕方ないと思われるケースも多い。

奨学金も貸与型が全部ダメという話ではないだろう。確かに、大学卒業とともに多額の借金を背負わされるが、(就職に有利なそれなりの大学であれば)奨学金の返済は可能であるし、私の周りにもキチンと返済できている方は多い。奨学金という借金を背負ってまで卒業するに値する大学かどうかは、考えた方がいいだろう。
(もっとも、この本に出てくるように、子の奨学金を親が召し上げるケースは例外だが。)

ただ、やはり全体の流れとして、少子高齢化の進む日本においては、明るい未来を見いだせず、セーフティネットや介護についても財源を考えると厳しい状況にならざるを得ないのは仕方ない面もある。
この救いようの無い現実にどうしても行きついてしまうため、重たい読後感になるが、これは即ち日本人が目を背けてはいけない問題でもある。
つまり、彼女たちこそ今後の日本のニュー・ノーマルの先兵とも言えるのだ。
そういう意味で、読んで損はない一冊である。



・・・・ところで、なんでこの表紙の写真がNews Picksの宣材に使われてるんでしょうか?
貧困女子がイキナリ意識高い女子みたいになってますが。
キャプションで見た印象が端的に変わる例になっております。。
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