プチ社長日記:『アフリカ陸路縦断#15:ハルゲイサ(ソマリランド)〜ジブチ(ジブチ)』の話

■ハルゲイサ
翌朝よりハルゲイサの街歩きです。
と、その前にドルを補充しにPremierBankに行ってドルを引き出します。
成田で両替したかったのですが、時間がなかったので。。200ドル引き出すのに6ドルの手数料取られます。高くね?
まぁでも、ドルに余裕があるのは心強いところ。
10ドルだけ両替商でソマリランド・シリングに両替します。手数料抜きの相場は1ドル=8400ソマリア・シリングでした。ソマリア・シリングと米ドルのどちらの支払いも受け付けている店も多いのですが、不思議と皆このレートでしたね。

さて、街歩き、と言っても大して見るところはないです。

東西に走る目抜き通りにそってミグ戦闘機のある記念碑から東に1kmくらい、そこを軸として市場があるので南北500m位に見るべきポイントは収まっています。
それと家畜市場が川の南にあるので、それで街中はほぼ全てかと。
あとはよしなに、というところです。

【ミグの広場】
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ソマリランドに来る人は殆どが、「謎の国家 ソマリランド」(高野秀行氏)を読んで来ると思いますが(私も読みました)、カート/チャット以外の記述は違和感なく受け入れられるところです。
中でも、混乱の中のソマリアにおいて、ソマリランドの平和実現を氏族の観点から整理しているのは秀逸と言えます。
あまり本の追体験をしても仕方ないのですが、安全の象徴ともいえるオープンな両替商などは普通に見れます。

【両替屋】
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翌日にはジブチに向かわないと流石に帰国が間に合わず、お客さんに怒られてしまうのでジブチ行きの足も探します。
バスターミナルをうろうろして聞きまわるも(そして聞いた人が、「おい、ジブチ行きってどこから出るか知ってるか?」と声をかけてすぐに10人くらい集まる)あまりヒントを得られませんでしたが、一人の流暢な英語を操る人に言わせると「ここみたいな市中のバス停からは出てなくて、タクシー捕まえてジブチ行きの車が出ている所まで連れて行ってもらいなさい」とのこと。
もう一声、情報が欲しいのですが、それ以上は聞き出せず、どうしたものかと思っていたのですが、そういやオリエンタルホテルに行けば何か聞き出せるかもと思い、昼飯がてらに訪問します。


【オリエンタル・ホテル】
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昼飯は豪華(といっても8ドル)にいきます。米が美味い。ビール飲みたいですが、残念ながらイスラム国家なので置いてません。
バー風のお店も酒は置いてなくて、あるのはcocktail(カクテル)を真似たノンアルコールのmocktail(ニセテルと命名)ばかり。

飯に感動して本来の目的を忘れかけましたが、フロントでジブチ行きの話をすると、「翌朝9時〜10時の間に来い。その時間、詳しい奴がいるから」とのこと。
決めきれなかったですが、まぁ、糸口は掴んだのでよしとします。

その後はダラダラ市場の方へ。なかなか面白いのですが、モロッコほどの大きさはなく、まぁこんな感じかな、と言ったところ。
外国人が少ないので、もしかしたら掘り出し物が見つかるのでは?と時計など見ますが、どれも粗悪な最近のものばかり(古いカメラや時計を探すなら、今のところイランがお勧めです)。
1000シリングでライターだけ買って終了。

【市場】
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【どう見ても出られなくて詰んでるスイカ売り】
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【結局、食べる】
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走っている車はほぼ全てが日本車(中古車)です。タクシーは何故かほぼ全てトヨタのヴィッツです。
家畜市場へ向かうために乗ったのですが、2千ドルで購入したと言っていました。
うーん、日本からの輸送費込みでそれなら安いよね。
普通に車検のシールとかが日本のそれなので、日本から来てるのは間違いないです。

【家畜市場。早い時間に来るべきだった。。】
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【売れ残り疑惑】
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そのほかにも昔、父親が転がしてたクラウンを見つけてしんみりしたり、親父の友達が誇らしげに買ってたカリーナEDを見て懐かしい気分に駆られました。
つーか、カリーナEDって、今考えたらすごい車名ですわな。
まぁ、確か僕が中学生くらいだったと思いますが、当時は普通にインポはインポと呼ばれてたからだと納得するなど、時代の変遷に思いを馳せる私@ハルゲイサの午後であります。

残りの時間は茶店にてソマリ・ティーを飲みながらひたすらダラダラ過ごします。まぁ、このダラダラが一番の贅沢なんですが。
茶店は男性のみで、ごくまれに女性と子供だけが小規模に集まる井戸端会議的なものを除けば、茶店は全てオッサンで溢れかえっております。
オッサンみんなで甘ったるいソマリ・ティーを飲んで談笑する絵面は決して美しくありませんが、酒が禁じられているイスラム世界ではよく見る光景ではあります。

好奇の対象である外国人の私は、茶店ではどこでもいろいろ聞かれますが、フランス語を操るソマリ人はいても英語はそれほど強くないと見えて、ひとしきり会話すると大体終了です。なんか知ってるフレーズ全部言い尽くして相手が満足するまで付き合うゲームみたいなもんです。その相手が去るとまた同じことの繰り返しです。Here comes a new challenger!!みたいな。
おつかれ、俺。

【ソマリ・ティータイム】
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1人、事情通の方がいて、南部ソマリアの情勢などを教えてくれました。カート文化とか。
ただし、残念ながら内容的には目新しいものは特になく前述の本の内容どおりといった感じでしょうか。
どうしても、攻略本を見てからゲームするような感覚だったので、これからソマリランド来られる方はロンプラその他で最新の治安情報を確認するだけの方がいいかもしれません。
それだけ、かの本の内容は正しいということでしょうか。
帰国後読まれる方が良いかもしれません。人によるでしょうけど。

***
因みにですが、今回、割と写真に私が写ってるのですが、これには理由がありまして、この地域の人々はカメラを向けられるのをすごく嫌がるのです。上の家畜市場に写ってる方などは承諾を得ているのですが、街角スナップは嫌がられてトラブルを招きかねません。なので、「自撮りに写った背景」みたいな扱いで写真を撮っています。
***

アルコールやカート(チャット)を嗜むか?と聞かれますが、とりあえず前者はノーと答えるのがここでは正解かと。
だいたい「グッド」と言われるので。
ハルゲイサは安全ですが、相手がもしアル・ハジャーブだとアルコール飲んでるだけで即アウトなんで(つーか、戒律的にアウト。アウトの時の反応が過激派かどうかの分水嶺)、ここはノーの一手かと。
カートはグレーみたいです。普通に売っているのですが、一応、おおっぴらにしないのが暗黙のルールの模様。
エチオピアのようにあっけらかんとはしていないです。

その後も茶店を転々としたのですが、良い写真を撮りたさに上に登れるところを探していたところ、1件だけ屋上にレストランがあるビルを発見。登るとまだ店は準備中で、親父が大量の人参を千切りにしてましたが、快く迎え入れてくれました。
ここではコーヒーを飲みつつ、給仕の青年と話せたのはいい思い出です。

【メインストリート】
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宿に戻って睡眠をとると23時過ぎに目覚めてしまいました。
夜のパトロールに出かけます。というか、口寂しくてカート買いに行っただけですけど。
こちらのカート(チャット)は1束5ドルとエチオピア南部より高く、単純にハルゲイサの周りにカート畑がないからでしょうが、鮮度も落ちる感じです。

【夜のハルゲイサ】
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【深夜のカート売り(撮影承諾済)。ただしカートは毛布で隠されている】
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とりあえず購入して夕方までいた茶店に向かいます。
実は茶店の客の一人から「夜10時からここでカートやってるから来い」、と言われていたので、カートというより四方山話でも聞こうと思っていたのですが、なんと行ってみると茶店そのものが消失してました。
朝まで生カートを期待していたのですが、残念無念。出来上がってるタイミング見計らったつもりでしたが、遅すぎたのかなぁ。。

ただ、カート持ってうろうろしてると親しみがより沸くのか、より話しかけられます。
適当に若者にカートをあげつつ(普段からアルコールやニコチンに触れていると殆ど効かないので、実は私はそんなにカートに興味ない)、宿に退却します。
帰ってきたのは1時前でしたが、まぁ、安全な街だなと思います。女性の一人歩きも見かけましたし。

宿に戻り再度就寝ですが、窓が全開だったので蚊が結構おりまして。。。
ひたすら格闘していたのですが、どういうわけかこちらの蚊、刺されても殆ど痒くならないことに気づきまして。
殺した蚊には自分の血がついてるんで、確実に吸われてるんですけど、どこがやられたのか分からないという。。。

だったら血くらいくれてやるわ、と思い直し、普通に寝ました。


さて、朝は軽く雑事をこなし、9時にオリエンタルホテルに向かいます。
手引きをしてくれるのは、ホテルのコックでした。
全部で50ドル、10ドルを前金として渡し、16時半にホテル再集合です。

それまでは街をブラブラしたり、茶店で日本から持ってきた本(何故か大江健三郎自選短編集・・・)を読んでのんびり過ごします。


■ジブチへ
タクシーに乗って街の北側の方へ。
ここには数台の4WDが停車しており、数台でジブチ国境へ向かう模様です。
地図にある道ではなく、砂漠を突っ切ります。直線距離では短いのと、おそらく、街道沿いはディルという、一応国家を自称している連中の勢力圏であることも理由の一つの模様です。

【出発準備中】
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荷物を屋根の上に括るのですが、PCその他は常に手で持ちましょう。
私、ちょっと放置した隙にSURFACEの画面割れました(涙)。

とっぷり暗くなった18時以降、それぞれの車は出発します。
どうやらバスではないので、夜に営業しても大丈夫っぽいです。例によってギチギチに乗り込むんですが、贅沢も言ってられません。不測のトラブルに備え、3台程度で隊列を組みます。

気づけば砂漠を走っています。
満月に近かったせいで、満天の星空は堪能できませんでしたが、月夜の砂漠というのはいつみても美しいものです。

ここでもやたらと世話好きなオジサンにコーヒーやら奢ってもらいます。
きっと私より年下なんですけどね。黙って恩恵にあずかります。
まぁ髭生やすムスリムは老けて見えるから仕方ないね。

【夜の茶屋】
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・・・途中、車が停止したので降ります。
なんでも雨で河ができております。砂漠でも河は流れます。で、それぞれ二手に分かれて渡河ポイントを探るということは理解しました。
いろいろ探りつつ、ここがいいんじゃない、というところを見定め、一気に渡河します。
水がフェンダー辺りまで来ましたが、さすがランドクルーザー、オプションのシュノーケルは伊達じゃない!
海外のランクルってシュノーケル付きを結構みますが、ネパールとここのランクルにおいては大活躍です。
日本の街で見かけるランクルって、そのスペックを引き出せずに終わってる車両、結構あるんやろなぁ、とか考えてしまいます。

朝、3時半ごろ、幾つか目の集落に到着して降車。
さっきから親切なオジサンが寝ろというので、私も並んで雑魚寝であります。
2時間くらいここで休むから、ということで、そりゃ寝ます。

【仮眠】
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夜が明けて日の出を拝む。遠くにはぐれたラクダなどを見つつ、歯磨きなんかしてると俺いったい何やってるんだ感が出てきますが、その感覚、嫌いじゃないんだなこれが。

【夜明け】
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そこからさらに2時間弱ほど走り、まだ9時前に国境到着。
国境が開くのを待って、通ります。

【国境】
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因みに、ソマリランド側のイミグレーションの建物は、日本政府の寄付によるものです。
ナイス日本政府。
国境は緩衝地帯を歩いて通るシンプルなスタイルです。

【GJ】
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先達のブログにはこの緩衝地帯でムスリムに襲われているので、なぜか石、途中からお誂え向きな棒を持ちながら移動したものの、まぁ、安全でした。
この先達さん、別の記事で見たのですが、黒い帽子を被っておられたので、イスラエル系と間違えられたのではと思料。

ジブチ側のイミグレは少し待たされます。
パスポート回収されて、順番に呼ばれるパターンなんですが、どうも非効率。
1時間ほどして晴れてジブチ入国です。

国境から街までは距離があります。
タクシーの客引きに50ドルとか言われます。一晩走ったのと同じ値段じゃねぇか。
スルーし、待っているおっちゃんに聞くと30ドルくらいじゃね?とか言います。
それでも高いよ。
でもまぁ、暫らく待ってみたものの、そんなに車がないので、運転手に行き先を告げ、乗り込むとさっきのオヤジが乗ってきます。
運転手とグルだったかな、と思ったので「お前も乗るなら運賃は折半だ」というと「いやいや、友達じゃねぇか」とかいって便乗しようとします。
「お前は友達じゃない。もう煩いから俺に話しかけるな」などと言ってると、運転手がそのオヤジを降ろしてくれました。
「すまなかったな。お前の友達かと思ってたよ。」とのこと。
そのドライバー(前に2人乗っていて、兄弟だった)は結構いいやつで、いろいろと街のことを教えてくれます。

【ジブチ港】
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そうこうする内に宿に。
最終日なので宿は奮発してケンピンスキーとかいう、無駄にゴージャスな宿に泊まります。
まぁ、砂漠の雑魚寝のあとなんで、宿泊費2日分ということで。
ジブチは水道がほぼ海水疑惑ありますが、さすがに良い宿の水は大丈夫です。それでもバスに張るとちょっとお湯が茶色いけど。

【無駄に豪華】
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その日は大人しくホテルに籠って仕事やジムでワークアウトなどします。

ジブチは塩湖などで有名(死海より塩分高いとか)らしいですが、翌日はおとなしく街歩きだけです。
Facebookで、イエメン料理の名店を友人に教えてもらったので訪ねてみたのですが、まさかのクローズ。

【イエメン料理屋】
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高地にあるアディスアベバと違い、ジブチは海沿いですから当然標高が低く、めちゃくちゃ暑いです。
昼間は人影もまばら。ビーチで多少遊んでいる人がいる程度です。

【ビーチ】
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暑さのせいでしょうか、なんか頭の悪い兄ちゃんに付きまとわれたのですが華麗にスルー。
なんか「FBI」の帽子被ってて「俺はFBIの人間だ」とか言って近づいてきて、無視しても2kmぐらいついてきてウザかったです。FBIはアメリカの組織ですってば。

さて、本日は帰国の日なのでジブチ空港までタクシーで行きます。

【ジブチ空港】
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免税店は大したものがなく、キットカットを高い値段で購入したのに溶けてました(涙)。まぁ、暑いから仕方ないね。
【裏側かと見紛う見事な溶けっぷり】
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紅海・アデン湾に面しているジブチ。日本も自衛隊がソマリア海賊からの護衛任務で派遣されています。対岸がイエメンということもあり、この空港にはフランス軍のミラージュが10機、C130 も1機駐留しています。飛行機を待っている間にもミラージュが4機飛び立つなど、独特な緊張感のある空港です。

【待合室から見えるミラージュ】
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アディスアベバ経由で帰国。次回のアフリカはジブチからエリトリアに行くか、アディスアベバからスーダンのハルツームを目指すか、現時点ではまだ決めかねています。
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