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プチ社長日記:『インド〜パキスタン#4(パキスタンの人々)』の話

最後に、パキスタンの人々について思う所を。
無論、私個人の経験だけで断定的に語ることはできないので、その辺は割引いて捉えていただきたい。

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【ナンガパルバット 8125m】

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【ラカポシ 7788m】

言うまでもなく、パキスタンはイスラームのスンニ派の国である。同じイスラーム国家で隣国のイランはシーア派なので、ついつい比較して見てしまう。
両派の違いは、教義は当然であるが、女性の扱いにも見て取れる。イスラームなので男女の区別(差別ではない)には厳しく、モスクの礼拝でも男性エリアと女性エリアは分けられている。ただ、普段の生活というと、シーア派はスカーフこそ頭に必ず巻くものの、顔は見せている方が殆どで、携帯ショップなどにも普通に女性店員がいる。
一方で、対するスンニ派はより厳格で、公務員・公共サービス以外での女性店員は皆無に等しく、高級外食店で接客係がいる程度で、あとは皆おっさんによる男性社会である。

(未婚・既婚問わず)若い女性には特に厳しく、周囲もとても気を遣う。ラホールからラーワルピンディー行きの普通列車は、正に鮨詰めで阿鼻叫喚の世界であったが、女性同士が固まる一角だけは空間がぽかんと空いているのである。
女性の方も、ブース毎まるっと布で自前カーテンとして遮り、男性からは見えないようにしてしまう。子供と老女だけは別であり、黒以外の色を身に付けていたり、顔を出したりしている。
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【学生なら逆に写真をせがまれることもある】


こういう自由恋愛とは対極の世界なので、いろいろと歪みが出てくるのは致し方ない。
例えば、Facebookで友達になっても、パキスタン人はどこぞで拾ってきた(非ムスリムの)セクシー画像を貼ってきては、仲間内で「いいね!」しまくっているのである。そう、ガタイが良くて髭面の彼らも、こと女性関連の話題に関しては中2レベルなのである。
そんな訳だから、会話の中で「ちょっとお前のスマホにある日本の女の子の写真を見せてくれ」というフレーズはしょっちゅう出てくる。
私もお約束として、ここは一発ボケなければという強い使命感からオカンの写真を見せたりするのだが、パキスタン人も『ソレジャナイ!』という解りやすいリアクションで返してくれるのが面白い(結局、毎回このボケは繰り返した)。まるでドリフである。

これだけ見れば笑い話だが(いや、彼らは至って真剣である)、この歪みがホモセクシャルとして発現することも多いというのは、むべなるかな、と言ったところである。もともとこちらでは男性同士が手をつなぐのが普通とみなされているので、境界線があやふやなので判別が難しい。
ただ、よからぬ視線を感じることも多々あったので、それは状況に応じて判断するしかない。

男性でさえそうなので、率直に言って、女性の一人旅はお勧めしかねる。
男女の関係はイスラームの戒律で厳格に律せられているが、残念ながら異教徒の我々はその律から外れると思ってよい。極端な話、異教徒には何をしても良いと考える人間もいるとのことなので、注意した方がいいだろう。

ただ、繰り返すがパキスタン人は非常に友好的である。列車の中で話をしていた老女は懸命に自分の家で食事して行けという。駅に着くと、その老女を出迎えに来た家族全員が「是非来い」と誘ってくれる。本当はイスラーム的にはこれらのお誘いには応えるのがマナーであるが、事情を話して勘弁いただいた。

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【Thank you, Rana bros.】


その他も、例を上げればキリがない。
フンザでデュイケルからの帰り道にバイクで送ってくれた若者や、カリマバードからアリーアバードまで自動車で送ってくれたおっさん等等、皆、非常に優しい。ラホールの駅で暇つぶしに話していたおっさんとポーターの皆さんも、私にジュースを奢ってくれたりした。
無論、その優しさをあてにする事は禁じ手であり、また安心しきった所をつけこまれる可能性も否定できないので最低限の注意(睡眠薬混入の可能性など)を払う必要はあるが、インド北部とはまるで性質が異なるのは鮮烈だ。
その賞賛を受けて、ある若者は『だって俺たちイスラームだから』と躊躇なく言ってのけるは、私にはとても説得力を持っていると感じられた。

日本ではインドとの関係上、どうしてもパキスタン人を警戒する傾向を感じるが、パキスタン人の日本人評価はなべて良い。無論、リップサービスも含まれているだろうが。
ただ、自動車など日本製品は随所に見られ、日本の技術が高評価を受けていることや、そもそもキリスト教徒ではないということもあって、日本人は概ね歓迎されているようだ。
面白いのは、『ヒロシマ』『ナガサキ』の話をするパキスタン人が若者も含めて何人かおり、『アメリカは酷いことする国だよな!』と同情を受けることが多いということである。『アメリカは嫌いだけど日本は嫌いじゃないよ』、とでも言いたいのかも知れないが、今や同盟関係にあるので聞いているこちらとしては返答に困ってしまう。
(もっとも、そんなパキスタンは絶賛核戦力増強中。)

ただ、この評価もいつまで続くかは判らない。パキスタンがインドと敵対する以上、利害の一致する中国とは仲が良い。中国もカラコルムハイウェイ建設や鉄道車両の輸出などを通じて、パキスタンへの影響力を強めている。これに加えて9.11テロ以降、日本人観光客がとんと来なくなったのでは、義理堅いと言われるイスラームの彼らであっても、現在の対日評価が維持できるかは正直、疑わしいところだ。
危険がない訳ではないが、もっと友好を重ねてもよいと思う。

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【そして最後はにゃんこ】
オトコの休日 | permalink | comments(1) | -

この記事に対するコメント

ナンガパルバット、息をのむほどの絶景やな。
気持ちのよい写真、ありがとう。
magicbus | 2015/12/19 11:44 PM
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