プチ社長日記:『統計学が最強の学問である』の話

先日、著者の西内さんのお話を聞く機会があったので、礼儀として事前に急いで読んだのだが、予想外の名著であったので。
因みに、本人自身も(私より8歳も)若いのに、非常に話がうまく、聡明な印象を受けた。

タイトルこそ大袈裟であり、そもそも学問は『最強』を競うものじゃないだろ、という思いはあるものの、統計学が政治・経済をはじめとしたほぼあらゆる領域にそって今や必須の教養であることは疑いない。データがあるのにそれを分析することなく、経験や勘、専門家(とされる)人の意見を聞くのは時間のムダと喝破する姿勢は非常に好感が持てる。
元フライト・アテンダントとかが書いている、個人の経験を基にした、ちょっと考えたら『因果関係逆だろ』と小学生でもわかるような『エリートのなり方』指南のような嘘本をよんでる時間があれば、是非、この本を読むべきだと激しく思う。(『○○が人類を滅ぼす』系も同じ。)

私の本業であるIT領域も、当然のことながら統計学の影響を強く受けており、『ビッグデータ』関連のトピックを目にしない日はないくらいだ。
当然、この領域にも本書は切り込んで来るのであるが、主旨は非常に明快である。
ビッグなデータをビッグなまま解析することを考えるより以前に、有用な統計学に基づくワザはいくつもあることを指摘し、(基本的な統計学の知識・手法を踏まえた上で)僅か0コンマ数パーセントの誤差を埋めることによるメリット(またはBIによる経営判断の修正)を受けることができないなら、「これからはExadataですよ」なんていうセールスは、まったくもってクライアントの為にならない、というものである。

この点は我々も真摯に向き合う必要がある。まぁ、私自身はビッグデータやってないけど。

また統計学をその発展の歴史にそって眺め、様々な考え方(視点)を簡潔にまとめあげる後半も非常に読ませる内容となっている。
・・・という訳で、私の中では良書なのでお勧めである。

特に『アルシェール』のようなバイアスに満ちた『集計』と糞のような『分析』しかできないマーケティング会社を立ち上げたりするNTTドコモの人間には激しくお勧めしておく。


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