プチ社長日記:『火車』の話

この手の話はあまり読まないのだが、宮部みゆきさんの選んだ短編集が良かったこと(旅行中は短編集をよく読む)、周囲の評価が非常に高いことから、気になって読んでみた。

なるほど、一気に読ませるだけの名作である。鬼気迫る表現や、一見、無駄に思えるサイドストーリーが確りと最後につながるなど、思わず唸ってしまった。
背景に大阪の三角公園や伊勢志摩の赤福などが出てくるのは若干観光っぽいが、知ってる人間には楽しいのではなかろうか。

余談だが、本旨には関係ないが小さな誤りがあることを指摘しておきたい。
私自身はこの誤りが何かの伏線なのかとワクテカで読んでたのだが、何の記述もなく終わってしまい、「えー」となってしまったので、かえって印象に残る結果となってしまった。

問題の箇所は文庫版で543ページ辺りの倉田の回想シーンである。

賢島のホテルに泊まったんですけど、あいにく、一日中曇ってて、英虞湾に沈む夕日なんて、きれっぱしも見ることができなかったんです。(略)そしたら、夜中の2時ごろでしたかね、喬子が起きて、窓のそばに立ってるんです。声をかけると、月が出てて綺麗よって」(略)「雲が晴れてて、三日月が出てました。」

・・・言うまでもなく、深夜に三日月が出ることはない。




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