プチ社長日記:『チベット』の話(4)


・ナンカルツェを超え、ヤムドク湖やカロー・ラ氷河へ

■行く手を阻むものたち
道中は、チェックポイントだけが問題ではない。
一番多いのは家畜による渋滞である。奈良県出身の私は、鹿による渋滞の経験はあるが、ここではあらゆる家畜が渋滞のトリガとなりえる。油断ならない。
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(写真:ヤク。頭が良いのか道を空けてくれる。)

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(写真:羊。馬鹿なのかクラクションを鳴らすと寄ってくる。)

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(写真:ヤギ。マイペース。突如崖から大群で来るので驚く。一の谷の合戦で虚をつかれた平家の気持ちがわかる。)

まぁ、先方からすれば、道路が整備される前から牧畜を営んでいるのであって、我々がクルマ優先だと考えていることが激しい思込みである可能性はある。
その他にも、突貫で道路を作ったせいか、オーバーハングの崖下を走行する羽目になるので、普通に握りこぶし大の落石が転がっている。時には人の頭ほどのものもあるので、直撃は避けたいところ。
見ると、私の乗っているフロントガラスにも既に皹が入っており、強度は著しく低下している模様。マズイ。
あと、中国他の国でありがちだが、突如道路が陥没してたりするので、気を抜けない。途中で小破した4駆車が乗り捨てられているのも見た。とか言いつつ、運転手がいるので私はやることなくて後部座席で転がっているだけなのだが。

・カロー・ラ氷河着
CIMG0253.JPG(写真:ここら辺りは7,000m級の山が普通にある。美しいの一言。)

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(写真:カロー・ラとは別の氷河。ガイドも「名前はない」と。本当か? 政府はどこでも電柱を立てるので、電柱を避けるために標高5,000mの場所を歩きまわされることになる。因みにうっかり走って息が上がると、地獄の苦しみが待つ。)

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(写真:カロー・ラ氷河。ガイド:「昔は道路のところまで氷河が来てたんだよ!」 私:「な、なんだってー!」みたいなマヌケな会話が楽しい。)


・ギャンツェ着。
■中国の発展についての雑感
ギャンツェは17世紀にグシ汗の侵攻を受けるまではインドとの交易路の要衝として栄え、その後も軍事上の重要性、及びパンコル・チョーデを中心としたチベット仏教の拠点として歴史を持つ地方都市だ。
軍事上の重要性を示すものとして、ギャンツェ・ゾンという城堡がある。
私が旅行をする時は、「○○をしたい」「△△を見たい」と言った具体的な目標がいくつかあるのだが、その内のひとつが、ギャンツェ・ゾンからの眺めを見る、というものであった。
ギャンツェ到着後、ゆるゆるとギャンツェ・ゾンへ一人で向かう。どこでもそうだが、五星紅旗が翻っているのが見える。
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(写真:ギャンツェ・ゾン。窓ガラスは割れ、荒れ放題。)

入口はガイドが言っていたように立ち入り禁止となっていたが、こちとら日本からわざわざ来ているので、無視して登る。
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ギャンツェ・ゾンは現在改修工事を実施しており、「外国人向け」に綺麗にしているといった具合だ。途中、何人かの工夫とすれ違ったが、適当に挨拶して登り続ける。公安や軍の関係者がいれば当然登れないが、中国らしく工夫は自分の仕事に関係なければ何も言ってこない。
何しろ標高が高いので休み休みでなければ登れないのだが、登りきると苦労に見合うだけの景色が広がる。
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(写真:ギャンツェ・ゾンよりパンコル・チョーデ方面を望む。)

こちらはチベットらしさが色濃く残っているエリアである。尤も、あとからガイドに聞いた話では数年前までは往来の主役は馬車であったが、今は殆ど自動車となっているように、ここも近代化されてきている。
漢人の多く住むエリアは、やはり中国の一地方都市と言った趣になりつつある。
中国を複数回訪れていると強く意識させられるのは、その成長の力強さだ。無論、危うさを孕んだものであることも理解している心算だが、その力強さには圧倒されざるを得ない。
・・・時間は遡るが、ラサで上海人の女子大生に写真をせがまれたことがあった。普通に手を伸ばしてカメラを借りようとしたが、被写体として映れという意味だったので、快く光栄に預かったのである(後で連絡先を聞いておけばよかった、と後悔したが)。
その時に思ったのが、彼女たちは洗練されており、魅力的で、明るい未来を信じているかのように屈託がなく、強引であるということ。まるで中国自身のようだということだ。
彼女たちの同年代の日本人は草食だとかゆとりとか言われているが、頑張って渡り合っていただきたい、と思う。
とは言うものの、残念ながら日本人の株が、今後あがる見通しはない。売り推奨だ。アジアに出て日本人であることが追い風となる日々が一日も長く続くことを祈る。


・ギャンツェを出発し、チベット第2の街、シガツェへ向かう。
今回の旅行も大詰めである。
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