有限会社Ayleeds社長日記。継接ぎだらけですが、世界一周旅行もやってます。

プチ社長日記:『逆転のグローバル戦略』の話

アクセンチュアの西村裕二さんの本である。

長年にわたるハイパフォーマンス企業と多極化世界の研究から、向こう3年間の、とりわけ日本企業のとるべき戦略を記したものになる。

かつて『ジャパン・アズ・ナンバーワン』と言われ、日本が各国のビジネスの手本として研究されてきた。結果、サムスンなどの後発企業が日本企業を追い抜き、今や日本から特に学ぶものがないのが実情である。
まぁ、サムスンもサムスンで笑える問題とか抱えてるけど。
(今だに日本は技術立国だ、と思っている人が多い。それは『一番じゃなくてはダメなんですか?』とか言ってる馬鹿がやってる素人仕訳を見てもわかる。勿論、実態としては今や日本のお家芸の製造業でも押されまくりといのが現状である。)
この現状を真摯に受け止め、初心にかえって戦後の優秀な経営者を輩出した時代のように、学ぶべきものはたとえ新興国企業からでも徹底して学びましょう、という視点は好感が持てる。が、それ自体は決して目新しいものではない。

本書はこれに『サブプライム以降、各国の攻勢が一旦止んでいる今の内に、再び追いつき、追い越せ』と3年の猶予期間の設定を加えているのが良い。
誰だ『火事場ドロボーですか?』とか聞いてる奴は。

で、『じゃあハイパフォーマンス企業ってどうなのよ?』という話が次に来るのであるが、それらを3章以降の5つの視点(力)で詳しく見ていく。つまり市場創造力・M&A力・ものづくり力・オペレーション力・経営管理力である。
日本のお家芸である、ものづくり力も入ってるのが現状を物語る。

ハイパフォーマンス企業としていくつか例が挙げられ、中にはアクセンチュア自体の事例が載ってて、当時リアルタイムで見てたものには、非常に面白い別の見方ができる。
また、しばしば取り上げられる日本電産も親しい人から内情を聞いてたりするので複眼的に見られて楽しめた。
そういった個人的な事情を差し引いても、よく纏まっている本であると思う。

読者層としては、どちらかと言うと大企業、それも製造業に近い業種のマネジメント層だとドンピタであるが、当該業界以外で働くマネジメントの方や投資家、それらに影響を受ける(下請けなどの)企業に勤める方も読んでおいて良い内容である。
まぁ、時間のない方は、総論である1,2章と総括の8章だけで良いと思うが。


■追記
因みに、本書のカバーは世界地図を上下『逆転』させたものである。
「『逆転のグローバル』だから世界地図反転でいいよねそうだよね」、という安直な経緯だったら笑えるな。
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