プチ社長日記:『NEVER LET ME GO』の話

言わずと知れたノーベル文学賞作家カズオ イシグロさんの本である。
邦題は「わたしを離さないで」。

ネタバレになるので控えるが、舞台設定は「え?」という荒唐無稽じみたところがあるものの、
主人公の淡々とした述懐でそれを押さえ込み、誰もが皆、
一度は考える死に対する姿勢を抽出して描いたところは、さすがの一言。
ただ、ちょっと強引な気も否定できない。
氏の作品の中では賛否分かれるとのことだが、それも頷ける部分はある。

因みに、これ、どうやって邦訳するのだろうと思って書店で邦訳を一部立ち読みしたことがあるが、
割と直訳的にならざるを得ないのか、「まぁ、そうなるわな」という微妙な感想を禁じえなかった。

故に、原文で読んで正解、、、だと言えるとカッコイイところだが、
私の英語力では読むのにえらく時間がかかるのである。
一文一文は平易なのだが、先の舞台設定の特殊さから、それを把握するまではちょっと漂流してしまった。

上記は個人の問題なので、私が解決するしかないのだが。。。
・・・なお、現在、レバノンからトルコに飛び、イスタンブールからアンカラに入ったところである。
読後の感想の味わいよりも、読破の達成感と荷物が軽くなることの喜びが勝るところを見ると、
まだまだ修行が足りないようである。

プチ社長日記:『あの会社はこうして潰れた』の話

日経「企業調査マンの目」の連載。
連載当初から読んでいたので知っている記事も多いが、改めて纏め読みしてみると
倒産企業の陥りやすいパターンが解って興味深い。

ただ、やはり記事になるだけあって、耳目を集める倒産理由が多い。
読み物として避けて通れない点ではあり、著者(帝国データバンク)もそういったネタを選んでいるのであろうが、
大企業はともかく中小も含めると、私の感覚では「それなりに大過なく経営していても、時代の流れに乗れずにひっそりと倒産」というケースが最も多い。

今でもベンチャー界隈を渉猟すると、カネや女性をめぐって、せっかく上手くいきかけた事業を
棒に振って「おいおい」と思うケースもあり、それは出資などしてなければ
見世物としては最高に面白い。

でも、最近潰れる社歴のある企業を見ていると、気づいた時には手遅れで、
「下手にあがくと死期を早めるだけ」のパターンもあり、寂しい気分になる。

そういうケースでは、経営側も割切っている部分もあるので、まぁ「おつかれさまでしたね」というようにしている。
・・・そういうものなんだと言い聞かせている。自分でも。


プチ社長日記:『坑夫 』の話

漱石はほぼ全作品に目を通しているが、当作品はこれまで未読だった。
岩波文庫版がたまたま手に入らなかったことが理由の一つだが、やはり避けていたと思う。

漱石が高踏派に分類されることはまずないものの、その対極の世界観を綴った作品は、異色の存在だ。
ただ、環境が変わることにより、自己の内面を深く掘り下げられるという機会は、普通に生きていても遭遇する事態であるので、本作はその状況を描写したと考えれば、位置づけも難しくない。
そういう意味では、『硝子戸の内』に近いとさえ言えると考える。

プチ社長日記:読後メモ『彼が通る不思議なコースを私も』の話

今年になってから文庫版第1刷というので、白石一文の最新作ではなかろうか。
山本周五郎賞受賞作『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』に作風は近い。
(装幀にどこまで関わっているか分からないが、カバー写真の雰囲気も近しい)


『この胸に〜』では現実的な氏の作風の中でも、(亡くした子の声が聞こえるという)不思議な出来事の起こる設定ではあったが、それは主人公の胸の内(=個の枠)に秘められており、我々凡人も稀に接する「不思議なこと」で片づけられるレベルであった。本作では更に進んで不思議な『能力』として定義され、荒唐無稽とも言える設定が最初気になったが、最後のエンディングで個の枠に大きく寄り戻すことで、バランスを保っている。

賛否別れる設定かもしれないが、それは所詮は舞台設定の話であって、氏の言いたいことは他作品のようにはっきりと主張しているので、読み応えのある作品。

プチ社長日記:『働かないふたり』の話

気付いたら5巻まで出ていたか。。。
人生において有益な情報は全くないが、ただひたすら馬鹿馬鹿しくて好きな漫画である。
特に、現在のように働いてない時に読むと格別。

まぁ、働いてない人って、あまりいないけど。。。

プチ社長日記:『ストレッチ』の話

まだ1巻しか出ていないが、意外と良かったので。
ストレッチのハウツー本などみると、イラストでやり様を描いているものはあるが、これはそれにストーリーを持たせた形。
ハウツー本なら読むのが苦痛でも、こちらなら難なく読める点が良い。
ただ、2巻以降はどうするんだろ。。

プチ社長日記:『Yコンビネーター』の話

ITベンチャーに投資する団体である「Yコンビネーター」のルポ、というべき本。

開発場所を提供してベンチャーを囲うわけではなく(だから、インキュベータとは名乗っていない)、一定期限をつけ、デモと週一の夕食会の場を中心に投資先を見ていく主催者側と、見られている側(ベンチャー)の双方について活動内容や思考の変遷が記載されていて、結果、IT投資に興味がある方とITベンチャーを立ち上げようとしている方の双方にも読ませる内容となっている。

あまり期待していなかったが、予想以上に現場感が伝わったのは、作者自身が「フリーパス」と言っているほど、出入の自由を主催者側に認めさせたからであろう。これは作者と主催者の信頼関係のなせるワザである。

ただ、読後感としては、やはり『シリコンバレーだから』というのはあって、この内容を敷衍して日本だとどうこう、というのは厳しいかと。

仕事で日本でもいろいろ話を聞くが、ここまでスピーディに集金できる仕組みは、やはりない。

キャンプファイアー??いや、それはちょっと。。。

プチ社長日記:『かばんはハンカチの上に置きなさい』の話

本書のタイトルは、『営業カバンは汚れているであろうから、(靴を脱いで上がる)客先ではハンカチを敷いた上にカバンを置くべし』という営業上の小技から来ている。これらの小技集としての前半と、作者の営業を通した成長や思いを書く後半に分かれる。

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昔、私が子供だった頃、つまり30年近く前だったのだが、出入りの三和銀行の方が、同じように家に来るときはハンカチの上に大きな営業カバンを置いていた。ポマードのようなもので髪をキッチリ七・三に分ける髪型に黒縁メガネで、大人というのは変な格好をするものだと思っていた。
今にして思えば結構若かったのかも知れない。今の私より若いだろう。だが、少年には大人の年齢は解らないものである。

その他にも郵便局の人なんかもハンカチを敷いていた。別に私の母親が人一倍綺麗好きで、強要していた訳ではない。

・・・そんな風に昔のことを思い出すと、もしかしたら昔の営業マンの中には少なからぬ割合でハンカチの上にカバンを置いていたのかもしれない。実家周辺だけかもしれないが。
最初、このくだりを読んで、作者の川田氏は非常に気が利くなぁ、と感嘆していたのであるが、それはこのよな気配りを私達が忘れ去ってしまっただけなのではないか。

営業、という仕事の本質が変わらない以上、このような小技(気配り)は昔から存在していて、書籍であれネットであれ、そのあたりのノウハウが共有されてなかった為、一部が廃れてしまったのではないか。 そう考えると非常に勿体無いなぁ、と思う。

・・・話が逸れてしまったが、本書はこのカテゴリの本にありがちな、小技マニュアルのようなものだけではなく、それらを身につけるに至った『プロフェッショナルとしての営業』となっていくエピソード集でもある為、読ませる内容となっている。お勧め。
因みに作者の川田氏は元リクルート社員であるとのこと。元リクというのは本当にいろんな人がいるな。

プチ社長日記:『防衛省編集協力のMAMORが面白い』の話

市ヶ谷から貰ったのだが、MAMORが突っ込みどころ満載で面白い。

まずグラビア。ほしのあきや磯山さやかなどの一線級グラドルが海自の制服や陸自の迷彩などを着てポーズを決めている。
書店では殆どみかけない、530円とはいえあまり広告の入っていないこの雑誌にどうしてこんなにグラビアが載るのだろうか?
まぁ、アレですわ。
しかも雑誌のタイトルが『マモル』である。誰が名付けたのか、まぁ、そういうことですわ。
独裁に近かったんだなぁ、と改めて思う。

ただし、内容はお世辞抜きで非常に面白い。
自衛隊の情報だけであるから、派手な兵器などは登場しない。特集が『補給支援活動のすべてが知りたい!』などのニッチなテーマである。
他に知りたいものはなかったのだろうか?
しかし、そんなささやかなテーマにもキチンと取材していて、作り手の愛を感じる。
発行所は扶桑社であるが、思うに隊員家族なんかに配給されてるのかな?よくわからんが。思わず熟読してしまった。D省はもうちょっと宣伝してもいいかもね。グラビアとかタイトル変えて。

ありがとうございました。>D省の中の人

プチ社長日記:『わが友、恐慌』の話

わが友、恐慌──これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由 わが友、恐慌──これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由 松藤 民輔

えー、日本で金(ゴールド)、といえば牛之宮のタミーこと松藤 民輔さんであります。
何だかんだと言われる向きもありますが、大局観という点では屈指の相場師なわけで、その声に耳を傾けるのは、所謂勝負師たちにとって意味があると思います。

恐慌に真正面から向き合うならガルブレイスの著作がお勧めですが、今後の日本が相対的に優位と言う論調がメッセージとしてある点で、今読んでもいいかと。

キャリー解消で円高が起こりましたが、各国通貨と比べてみるとやはり今後は相対的に日本優位、という線はあると思います。